2015年11月16日

 ようやく人生が平坦になってきて、もう何にも囚われず死んでいけると安堵していた。しかし先月くらいから、ようやく逃げ果せたと思っていた誰かがわたしを見つけ、耳元で神の不在を繰り返し囁くのだ。それを一度耳にすると頭の中で残響となり、そう簡単には消えてくれない。またもやどことも知れぬ暗く深い穴に突き落とされてしまった。こうして一生、冷たい地面の上で黴たパン(シュミリゲス・ブロート…)を安ワインで飲み下し、悪酔いして嘔吐、狭い穴底に充満する吐瀉物の耐え難い悪臭の中で眠る日々が始まるのだろうか。他者による救済への期待は失せていた、少なくとも「他者による救済があり得なくて残念だった」と、虫の餌にしてしまえていた。それが、今はとても悲しい。神どころか、家族も友人も恋人も不在の世界、見ず知らずの他人だけのよそよそしい世界。天気の話はするけれど、足の傷痕は見せない。落としたハンカチを拾うけれど、手が濡れているのを見てもハンカチは貸さない。
 何故、みんなと同じように時間が流れないんだろう。

2015年11月4日

10月観た映画
・第七の封印
・夏の遊び
・街の光
・ギター弾きの恋
・フィールド・オブ・ドリームス
・ムード・インディゴ  うたかたの日々
・浮き雲
・マルコヴィッチの穴
・マンハッタン
・フランシス・ハ
・ヴィオレッタ
・道
・野いちご
・バスター・キートンのセブン・チャンス
・夏の夜は三たび微笑む